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アトラス物理ワークショップ@アテネ(2003.5.21-25):出席者によるメモ欄

update 2003.06.16 (by T. Kondo)

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 Top メモ(川越)

Date: Mon, 02 Jun 2003 16:05:57 +0900 (JST) From: KAWAOGOE Kiyotomo To: atlas-japan@ml.post.kek.jp Subject: [atlas-japan:00514] [Athens] Top アテネのワークショップでの Top のセッションの様子についての報告です。 Topの話はイントロも含めて6つ。前半はまじめでSTANDARDな話でしたが、後 半はかなり怪しいEXOTICな話でした。 より詳細なそして正確な内容については agenda のページ http://agenda.cern.ch/fullAgenda.php?ida=a031081#s7 を御参照ください。 * Stop mass measurement 各測定チャンネルの紹介と系統誤差の検討。 もっとも有望なのは Single lepton channel で、kinematic fit のあとで sys. error = 0.9 GeV。統計誤差はすぐに小さくなる。他の方法でチェックが できる。Low lumi 1年で 1GeV以下の精度に到達可能。 私が知らなかったのは Leptonic finale states with J/psi というもので、 topがl nu b に decay して、b から出てきた J/phi をとらえ、lepton と J/psi の invariant mass を組むと言うもの。統計が十分ある場合は有効なよ うだ。 * Continuos Jets t-mass reconstruction DC1のデータをもちいてcontinuous jetsという方法を試してみた。これは lepton+jetsチャンネルでjet finfingのパラメータを変えた解析を行うという もので、いくつかの系統誤差をキャンセルできるそうである。昔やった TDR(ATLFAST)のときよりDC1ではだいぶ結果が悪くなった。それでも、LHC最初 の数日で1GeV統計誤差、1GeV系統誤差で質量測定ができるといっていた。ただ し、b-taggingがうまく行くことが前提。 * KK graviton and top KK graviton によるttbar productionがあれば、SM process による production との干渉項がみえる、という話。gravitonはspin=2なので、ttbar system の spin-spin correlationが変わってくる。測定はとても大変そう。 * ttbat spin-spin correlation 上の話とも絡んでくるが、spin-spin correlation 測定を ATLFASTでやってみ た。no-correlationの場合との差はみえるようだ。いろいろgeneratorの条件 を変えて試している。つぎは、Higgs boson の効果やCP violationの効果を見 ると行っていた。そんなもの、見えるのだろうか。とても大変そう。 * top quark charge top charge は実はまだ測られていない。みなさん、t -> b W+ と思っているが、 実は t -> bbar + W+ かもしれないので。それを決めるのに、 * b の jet charge で決める方法。 * top の radiative production, radiative decay で測る方法。 があるそうです。 こんなのはリニアコライダーなら一発でわかるのに、と思いながら聞いていま した。 感想:LHC運転早々から華々しい新物理(Higgs,SUSY)がだせるとは限らない。特 にD論の学生たちのためには、LHC初期の物理となるstandard modelの物理 (topを含む)にくい込んでいく必要をかんじた。しかしマンパワーが...。 川越 ----------------------------TOPへ戻る------------------------- Social dinner メモ(川越)

Date: Fri, 13 Jun 2003 13:55:53 +0900 (JST) From: KAWAOGOE Kiyotomo To: atlas-japan@ml.post.kek.jp Subject: [atlas-japan:00529] [Athens] Social dinner アテネのワークショップで最終日前日、Social dinner (banquet) がありまし た。その報告です。 ATLASからも文章を書くように頼まれたので (ENews)次のようなものを書きま した。 On Friday night, the buses took us to Pireas, a harbor-town near Athens, where the banquet took place. We thank the bus drivers, who succesfully passed through the very narrow street in Pireas city to reach a sea-food restaurant. Two big rooms in sea-front were used for the banquet. We enjoyed the good foods, drinks, and of course delightful conversations, until 23:30 ! 英語で書いたように、2つの部屋にわかれてしまったので(となり合わせては いるが)、セレモニーのようなものは何もなし。P. Jenni や Fabiola, Athen 大の人の挨拶もやりようがない。参加者が多いと、バンケットだけでも大変です。 アテネのワークショップの運営は、いくつかのセッションで時間が守られ なかったことや、初日に液晶プロジェクタの写りが悪かったこと以外は、スムー ズに運営されていたと思います。いつか、日本で Overview week や Physicsworkshop をやることになるでしょうが、social event も含めて、運 営は大変だろう、と感じました。 以上。 ----------------------------TOPへ戻る------------------------- What else ... ? メモ(田中礼)

件名 : [atlas-japan:00518] [Athens] What else ... ? 送信日時 : 2003年 6月 7日 土曜日 9:15 PM 差出人 : Reisaburo TANAKA 宛先 : 5月25日(最終日五日目)にあったWhat else … ? の報告です。座長は,物理コンビー ナーのFabiola Gianotti。 ● トリガー  LUND以来の変更点は,イニシアル・ルミノシティーが2×10**33cm^-2s^-1,新しい HLT(High Level Trigger)メニューを作って物理グループからのフィードバックを待っている。 大きく変更になったものは,ミューオンPtが 6→20GeV/c,ジェットEt 180→400GeV。 問題になっているのは,日本物理グループが解析に関与しているヒッグスのVBF qqH(H→ ττ,bb)やMSSMヒッグスのbbh(h→bb)など。これらは是非トリガーして欲しい。 リソースの問題からLHC開始時にHLT/DAQは50%のシステムとなる予定で,Bの物理が抑制 されるが,di-muon(J/Ψ)の閾値を下げることを検討。SM, SUSY, Exoticsはあまり大きな 影響はなし。探索のリーチを広げたり,バックグラウンド・モニターの目的でプレスケール・ トリガーを考慮。統計を稼ぐためエクスクルーシブ・トリガーも検討。 ● GEANT4  G4コラボレーションを代表してJ. Apostolakis(父親はギリシアHEPの創始者との紹介 があった)が,最近の話題を話した。質問としては,平均的な振る舞いはOKだがテールの 分布はどう評価するのか,G4では MC truthのインフォーメーションが欠落しているがど うするのか(答:LCGプロジェクトで検討中)。その後アトラスでの評価のまとめのトーク があった。全般にビーム・テストの結果とよく合ってきている。問題はやはりハドロンの シャワー・シェープとエネルギー分布。QGSPやLHEPだの新しいモデルが出ている。質問 として,EGSはどうなっているのか?答:別のプログラム(村上氏がインテグレートして いるのでは?),ジオメトリーは?答:面倒見ない。 ● Little Higgs ヒッグス粒子質量のファイン・チューニングの問題から,1TeVのオーダーで何か新しい 物理が予想される。SUSYはプランク・スケールまでナチュラルに2次発散の問題を解決 してくれるすばらしい理論だが,発明(?)以来20年経ってもその片鱗さへ見せてくれない。 最近,ハーバードのH.Georgiらが新粒子を加えて新しい対称性を導入して,アド・ホック に発散のキャンセルを引き起こすような理論を提唱した。理論としては未完成だが,LHC での現象論としては,重いトップ,重いゲージ・ボソン,ヒッグス3重項(Φ++など)が 研究されている。アトラスのワーキング・グループが結成され,浅井氏と金谷さんが活動 している( http://phyweb.lbl.gov/~ianh/little/ )。6月末までにノートを書く。 ● 宇宙物理学と素粒子物理学  最近のWMAP(詳しくは,http://map.gsfc.nasa.gov/ を是非参照してください。印象深い WEBサイトです。)の宇宙背景輻射の精密な測定結果により,宇宙でのダーク・マター (正体は不明)は23%,ダーク・エネルギー(宇宙膨張加速を担う)が73%を占め,通常 の物質(原子)はわずか4%にすぎないことが分った。この結果の素粒子物理学へのインパ クトは大きく,SUSYのパラメーターへの制限などを課す。  と理論家が話していたら,事故により停電。20分後UPSを使って復旧するも,またダウン。 と思っていたら停電から1時間後に復旧して拍手拍手。このため,二人目のトークは, 次回の物理プレナリーへ延期された。 ● Surprise  最後のセッションで,ファビオラがサプライズと称して, 1)ATLFASTによるMCサンプルが数週間のうちに作られる。低ルミノシティーに対応したデータ。 2)何かしら物理が隠されている。そのシグナルは何か,またどんな標準模型のバックグラウンド が入っていないか当てよ。 とのブラインド・アナリシスを提案した。7月下旬締め切り。賞品は,次回の物理ワーク ショップのランチ券。アトラス日本からもチャレンジしませんか? 以上。 ----------------------------TOPへ戻る------------------------- Inner detector layout and flavour tagging メモ(田中礼)

件名 : [atlas-japan:00516] [Athens] Inner detector layout and flavour tagging 送信日時 : 2003年 6月 7日 土曜日 9:15 PM 差出人 : Reisaburo TANAKA 宛先 : アトラス関係者さま、 遅れましたが、アテネでの物理ワークショップのレポートです。 ギリシア・アテネでは来年オリンピックが開催されるので,道路も家もどこかしこも建設 ラッシュでした(オリンピックに間に合うのかしらん)。10年前にも行ったが,車によ る排気ガス公害はだいぶよくなっていた。レストランでは,鯛などの魚,蛸やイカをグリ ルしてオリーブ・オイルのレモン・ソースをかけて食べるのが一般的です。通はレストラ ンの前に置いてある小さい冷蔵庫や氷の上に載った魚を指定してグリルしてもらう。 以下,5月21日(一日目)にあったInner detector layout and flavour taggingの報告 です。 このセッションの座長はマルセイユ大学からで,発表も半分がマルセイユ(学生の発表を 含む)。全体のレビューの発表はなく,まるでマルセイユのマルセイユによるマルセイユ のための(?)内部ミーティング的なセッション。DC1データを用いたAthenaでのフル・ シミュレーションの結果が多く発表されていた。 ● デザイン 主なIDのレイアウトの変更点は,”インサートできる”Pixelのサポート・チューブ。この ためインストールが1年遅れ。Pixel検出器はビーム・パイプと一体で,最内層(b-layerと 呼ばれる)が半径5.05cmに変更(ビーム・パイプ直径が50→69.2mmになったため)。3つ のうち真ん中の層は,LHC実験の最初には設置されない。このためbタグのパフォーマン スは30%悪くなる。最内層のzピッチを300から400μmに変更した結果,パフォーマンス は10%悪くなる。SCTは,Pixelと傾きが逆になるように設計変更された。 ● アラインメント 実際の位置はX線によるサーベイで,例えばSCT+TRTをr-phi/r-z=10/50μmで抑える。SCTは, FSI(周波数走査干渉計)を使って10μmでモニター。あとはオフラインで実際のトラック を見てみる。アラインメントの方法として,”giant χ2”法を提案。3万×3万のマトリ ックスの逆行列を求めるのに1台のPCで1ヶ月かかる。パラレルにした線形代数のアルゴ リズムを使って高速化を図る。トラッキングによるアラインメントでソレノイド・マグネット をオフしてやってはどうか,という質問があったが,マグネット・オンでまた動くので あまり意味がないように思える。 ● bタグ H→bbやt→bWなどで非常に重要。ttH(H→bb)やWH(H→bb)で最適化を図る。LHCの物理は, このbタグがちゃんと動くかにかかっている(Pixelが動かなかったらどうなるのかな。 SCT+TRTの研究はやっているのだろうか)。中心となるアルゴリズムは,横方向のインパクト・ パラメーター(S=IP/σ)を測定する方法。ビーム・スポット・サイズは,15μmと小さい ので,プライマリー衝突点の情報を必要としない。これとビーム軸方向のインパクト・ パラメーターの測定を組み合わせたのを3D-bタグと呼ぶ。プライマリー衝突点とセコンダリー とを全部見つける方法として,ジェット・エネルギーや不変質量の情報と3D-bタグを組み 合わせて,パフォーマンスを2倍近く良くする方法も研究されている。bタグの実験的な 較正方法として,tt→lνbjjbを使った手法を研究。これからは,bタグの効率とそのエラー, 軽いクォークのミスbタグをどうやって実験データを使って評価するのかが研究課題になる と思う。QCDやW+jetsといったバックグラウンドのコントロールも大切。また,cタグも 研究すると言っていた。Level2トリガーでのbタグがPhysics TDRに向けて研究されている。 ● τタグ 一般にτタグは,そのジェットが非常に狭いことを使うが,3-prongのτ崩壊を使ったバー テックス・タグも研究されている。τのハドロニック崩壊の情報は,MSSM Higgs A/H→ττ や,VBFでのH→ττモード(最近の研究で軽いHiggsで最も感度が良いことが分った)など で重要。τの寿命cτは87μmとBメソン(500μm)の約1/5だし,トラックの数も少ないので 難しい。τに垂直な方向で分解能は50μm,同じ方向で2mm。 以上。 ----------------------------TOPへ戻る------------------------- Opening メモ(田中純一)

件名 : [atlas-japan:00520] [Athens] Opening session 送信日時 : 2003年 6月 10日 火曜日 4:28 AM 差出人 : jtanaka 宛先 : 4/21 水曜日(一日目)のOpening sessionのレポートです。 トラペは http://agenda.cern.ch/fullAgenda.php?ida=a031081#s0 からアクセスできます。 Registrationに時間がかかり約30分遅れでスタート。 200人あまりを30分で処理しようという考えが甘い...。 会場に設置されているプロジェクターの性能が悪く非常に見えにくかった。 2日目からは違うものに変更したがそれほど改善は見られなかった。 まず、ChairのKourkoumelisがオープニングの挨拶をして、 その中でギリシャはMDTを担当していることに言及していた。 そのあと、Floratosがギリシャの高エネルギー物理の状況 を説明した。どこも同じで、予算があまりなくて大変とのこと。 17.6MCHF内、11.5MCHFがCERN用で、CERNから見ると1.4%の 貢献。8大学/研究所におけるスタッフ、PhD、学生の人数等に 関してまとめた表等を見せていた。 次に、JenniがATLAS constructionの状況、計画に関してト ークを行なった。ATLASは151研究所、34カ国から約1600人が 参加する実験グループで、改めてその大きさを実感した。 CERNのビルディング40にATLAS検出器を重ねた図(写真)あり。 その後、各検出器の状況/問題点等を解説。 次に予算の問題をとりあげ、不足分21.7MCHFに関しては、検出器 の一部を実験開始時にはインストールしないことで乗り切る。 そのStaged componetsリストを挙げていた。例えば、One pixel layer, TRT outer end-caps 等。したがって、このことによる物理への 影響も今回のWorkshopで多々発表された。 次に、インストールの話に移った。 UX15 Cavernは約一ヵ月遅れで引き継がれた。 インストールの進む様子のイラストを数枚見せた。 彼が言うには"promising"だそうです。 最後に、ATLAS全体における4つのフェーズの内容を見せて終った。 (ATLAS物理にも4フェーズあるがこれとは別物。) 次にファビオラの登場。今回のWorkshopは参加者約250人で35時間で 約100トークをこなす大変なものになった。過密スケジュールのため トークを割り当てられなかった方には申し訳ないが、基本的には若い 方にチャンスを与えた、ということらしい。次に、このワークショップの 流れを解説:Combined Performance --> Physics Group --> Special Issues。 Combined Performanceとは、現状のb-tag, e/gamma等の性能評価のこと。 Special IssuesとはTrigger(HLT), Little Higgs, G4 Physics, Hearvy IONs, Astro Particles, Commissioning with Physics dataのこと。 Astroに関しては、6月のATLAS Weekでも取り上げる。 今回のワークショップの約60%の結果がAthenaフレームワークで得られたもの だということを強調...個人的には疑問...していた。 Physics validationグループも機能したらしい...これまた疑問、 内輪だけで上手くいった?... このワークショップ後の予定は、最終日にアイデアを出し合いましょう、 とのこと。 質問: NotePC で Athena は動くのか/サポートするのか? 解答: David.Q.が、今は無理、しかし、状況は改善している(a few month)。 個人的にはスペックや起動するサービスの量等からかなり厳しいと思うが もちろんできないことはない、と思う。 次に、理論のOverviewをGounarisが行なった。 SM、MSSM、NMSSM等の話をした。SUSYの部分が多かった。 他の日本の参加者が言うには、よくある話だそうです。 SMでは、Zでの物理、Higgsに関して言及した。Higgsの質量の制限等。 SUSYは"almost standard"だそうです。(まだ見つかっていないけど...) Unificationの話で、SMなら7個のHiggsが必要でそういう意味ではSUSYはナチュラル。 どのようにSUSY breakingをしているかが問題で、(m)SUGRA, GMSB, AMSB のどれでしょう?という話があった。 このセッションの最後は、HLT(High Level Trigger)に関して Padillaがトークを行なった。1.6MB/eventで40MHz。 いつものようにTriggerメニューでその物理内容と値を挙げていた。 OnlineのコードはOfflineのものを基本的には利用する。 後は、トリガーの流れ、テスト等を説明していた。 このセッションでは、理論でもHLTでも目新しい内容はなく、 よくある話で終っていた。 ----------------------------TOPへ戻る------------------------- Exotics メモ(田中礼三郎)

件名 : [atlas-japan:00517] [Athens] Exotics 送信日時 : 2003年 6月 7日 土曜日 9:15 PM 差出人 : Reisaburo TANAKA 宛先 : 5月24日(四日目)にあったExoticsの報告です。 Standard Modelのセッションなどでもずいぶんエギゾチックな話があったと思うが,ここ では標準的な(?)Heavy Lepton, Extra-Dimension, Black Holeといったエギゾチックス の話。この他に,Left-Right対称模型(金谷さんのΔ++ヒッグス解析),重レプトンなど。 最後のロシア人の理論屋によるZ’の話は理解不能だった。ここでもフル・シミュレーショ ンでやりました,というのが多かった。検出器で問題になるのは,非常にエネルギーの高 いジェット,電子・光子をどうやって精度よく再構築することができるか。 ● 余剰次元(Extra-Dimension)  大余剰次元(ADD)モデル,小ワープ余剰次元(Randall-Sundrum)モデルでの解析が なされている。RSモデルでは,小田切君たちのグラビトンからの狭い共鳴状態を探索する 仕事も紹介されていた。あとRSモデルでのRadionというヒッグスみたいなスカラー場の研究。 ● ブラック・ホール  余剰次元模型ではプランク・スケールがTeVスケールにあってよいので,LHCでもミニ・ ブラック・ホールができる。断面積がO(100pb)と大きいので発見は一瞬。ブラック・ホー ルからのホーキング・スペクトラムを用いて余剰次元の次元nを決めるアプローチに関し ては,グレー・ボディー因子やブラック・ホールの時間発展など理論的によく分っていな い点が多い。LHCでは,プランク位相をよりよく理解しないかぎりn=5,6といった高い次 元の研究はトリッキー。ブラック・ホールの質量が小さい場合には,ストリング・ボール なる理論も登場している。  ケンブリッジのA.Parkerが,理論屋二人との仕事をまとめた良いトークをした。さすが にイギリス人はプレゼンテーションやディベートの訓練がよくされているなあ!しかし内 包している問題点は,日本グループと全く同じ。そのあと,田中(純)氏が登場した。 ちょっとやりにくかったかな。彼は,RC,Nordic GRID, bタグ,Higgs解析などいろいろ な仕事をしていて忙しそうだが頑張って発表した。またアテネの前の週のソフトウエアー 週間でチュートリアルがあったATLANTISというイベント・ディスプレー(元ALEPHの 人が書いたので,ALEPH検出器にそっくり,うひゃひゃ)をさっそく動かしていた。アテネ の後Les Houcheに参加した田中(純)氏が議論した理論の人によると,プランク・スケール までの理論も分かっていないのに、その上(trans Planckian)の領域はまだ早いとか。まあ、 クラシカルな議論でできる部分で攻めていって、万が一見えれば実験家にとっては非常に ラッキーだからいいのでは、とのこと。 ● レプトン数非保存  τ→μγ,τ→μμμ,A/H→τμなどが研究されている。 以上。 ----------------------------TOPへ戻る-------------------------