CERNのCommitte of Council(6月20日)、Council(同21日)の、主にLHCに関係する部分に 関しての速報         ----------------------------------------------- 1.LHC現状報告   ・最もcriticalなitemである超伝導線のcabling macineが1台この週の月曜    に故障。新しいLHCの予定からするとまだ4〜5ヶ月のcontingencyがあり    criticalではない。   ・ここしばらく問題となっていたelectron cloud instability(beam pipe内壁 で    発生した電子が陽子bunchで共鳴的に加速/増殖する効果)について、    最近SPSを用いて試験を行い、LHCの場合には問題ないことがわかった。   ・各実験の問題点---ATLASはbarrel & EC toroidの予定、CMSはECALの    電子回路とSilicon tracker & RPCの量産、LHCbはHPDの生産。   ・各実験の建設費不足額(cost to completion 及び C&I costs)      ATLAS --- 68 MCHF (46 MCHF)      CMS --- 63 (47)      ALICE --- 7    ( ) は現在各国F.A.が出してくれそうな額。10月のRRBに最終計画を決定す る。    「測定器を完成させようという非常に前向きな雰囲気」と、Com. of Council の    議長がまとめた。 2.External Review Committee報告(R.Aymarがchairman)   ・LHC計画は技術的には健全であり、順調に進んでいる。しかし2007年半ばの    運転開始という予定は"success-oriented"であり、まだ厳しいかもしれない。    最もcriticalな超伝導線とdipole cold mass生産の目処がたつ今年の11月には    もっとよくわかるであろう。   ・LHC(machine & area)の予算シーリング4567MCHFを守れ。LHCに関連しない    activityを削減せよ。スタッフをLHC計画にまわせ。2005年はSPSもPSもシャッ    トダウン。メンバー国からの分担金の前倒しや借入金。他の研究機関との協力    を強化(例えば、加速器R&DやGRID計画など)。   ・CERNのtop managementの組織を新しく作り変えてはどうか。   ・独立監査委員会(independent Audit Committee)を作り、Councilに報告する    ようにする。   ・ERC reportの内容は、CERN内部で作ったタスクフォースの報告およびCERN    の中期計画とよく合致している。   ・CouncilはERCのreportを受け入れ、9月のCom. of Councilに対応策と予定を    提出する。 3.凍結されていた今年の予算の5%分の残りの33MCHFも解除する。(3月の   臨時Councilで20MCHFは既に凍結解除されいている。) 4.新しく決まったSPCの委員の中に近藤氏の名前あり。 -----------------------------------------------              (以上 小林)