財政委員会 11月6-7日
LHCプロジェクトに関する議論の主要ポイント
財政委員会の委員長のBrigitte
Sode-Mogensenは会合がポジティブな雰囲気で進行したことを言及した。議論は厳しかったが建設的であり、全ての代表がLHCプロジェクトを強く支持すると表明した。現にその証拠として財政委員会によって重要なクライオジェニックス経路の契約が承認されたことでもわかる。しかしながら、加盟国の代表には、執行部からの情報を引き続いて鋭く焦点を絞り明確化する必要がある。これ以上のサプライズはあるべきでない。
LHCコストのレビュー
Lyn Evans博士はLHCコストレビューの最新情報を発表した。詳細な数値はLHC完成コストとして与えられている。それらは以下の表にリストされている。
表:LHC完成コスト(試作品を除く) 単位:百万スイスフラン
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2001年物価での見積り |
2001年物価追加コスト |
完成コスト |
増加率 (%) |
|
加速器 |
2339 |
412 |
2751 |
17.6 |
1 |
マグネット系 |
1474 |
174 |
1648 |
11.8 |
2 |
クライオジェニックス系 |
324 |
34 |
358 |
10.5 |
3 |
高周波・ビームクリーニング・ビーム測定と制御・その他 |
160 |
29 |
189 |
18.1 |
4 |
ビーム輸送線・ビーム入射・ビーム廃棄 |
114 |
5 |
119 |
4.4 |
5 |
加速器関係土木工事 |
140 |
55 |
195 |
39.3 |
6 |
サービスと据付 |
127 |
55 |
182 |
43.3 |
|
最終組立て |
|
60 |
60 |
|
|
実験場 |
254 |
63 |
317 |
24.8 |
7.1 |
土木工事 |
194 |
36 |
230 |
18.6 |
7.2 |
設備関係 |
60 |
27 |
87 |
45.0 |
|
合計(加速器+実験場) |
2593 |
475 |
3068 |
18.3 |
試作品作業にかかった経費
試作品作業にかかった経費も発表され下にリストされている :
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Total costMCHF |
マグネット系【注1】 |
100.5 |
クライオジェニックス系【注2】 |
25.8 |
他のシステム【注3】 |
16.6 |
合 計 |
142.9 |
【注1】 短いマグネット試作、ダイポール試作、クライオスタット試作、4極電磁石モデル、テストと測定の装置、道具、超伝導ケーブルとテスト設備、電力変換試作と測定装置を含む。
【注2】 クライオジェニックス分配ラインの100m長テスト機3台と色々な部品(クエンチバルブ・タービン・挿入部品)を含む。
【注3】 真空、ビームスクリーン試作、COLDEXテスト、ビーム位置モニター試作、高速高電流/高電圧スイッチ試作、加速空洞、結合器を含む。
エバンス博士はさらに、LHCに必要な超伝導ケーブルのあるものは納品が遅れる可能性がある、と財政委員会に示した。
予算シナリオ
所長はLHC計画のコスト増加に対する研究所の年次予算モデルのシナリオの初案を示した。
これらのシナリオには以下の項目があげられる:
・
研究所の活動をLHCと節約に焦点を合わせる。
・
組織の見直し
・
借金期間の延長
・
とくに1996年には予見できなかった項目に対する追加支援
いくつかの国の代表は研究所予算への追加支援が出来ないことを明らかにし、研究所内部で執行部が節約できる全ての事を行うよう勧めた。
外部レビュー評議会
理事会の会長であるMaurice Bourquin教授は11月21日の理事会委員会の特別会合で、所長の声明に支持を受けて、外部レビュー評議会の結成と使命と構成員が議論される。このレビュー評議会の報告の仮のスケジュールは2002年2月までに中間報告を出し、2002年6月に最終報告を行う。
タスクフォース
マイアニ教授は、効率を改善し節約が出きる項目を見つけ出す責任を担う4つの(後で5つになった)内部タスクフォースを発足させると発表した。それらのタスクフォースは以下の通りである:
タスクフォース 1 研究プログラム
委員:D. Schlatter, L.
Camilleri, F. Gianotti, W. von Ruden + J. Lefrançois (Orsay)
EPおよびIT部門での将来のプログラムのためのR&Dを含む各々のプログラムと実験の直接および間接コスト(他のCERN部門からの支援も含んだCERN分の負担)。それらのプログラム/実験を資源と物理の将来性の両方の観点から、停止・延期・縮小の場合のコスト効果の解析。内部での研究の重複。(リエゾン:R.
Cashmore)
タスクフォース 2 - 組織体制
委員: H.Wenninger, T.
Camporesi, T. Lagrange, Ph. Bryant, T. Petterson + 外部委員
Ger van Middelkoop 教授 (NIKHEF)
効率を上げ重複をさけLHC時代に適応するためのCERN内の構造の変更提案(リエゾン:J.
May)
タスクフォース 3 - 産業界の支援と契約
委員: K.H. Kissler, D.
Blechschmidt, P. Ciriani, A. Kurz + 外部委員 Alexander Gamp博士(DESY)
産業界の支援と契約(全ての主要な産業支援契約、包括的発注、署名権)の分野において節約と新しいコスト制御方法の提案(リエゾン:J. Van der Boon)
タスクフォース 4 - 人事
委員:J. Ferguson, P.
Schmid, V. Hatton, F. Bordry, P. Geeraert + 外部委員 Andreas Pritzker (Paul
Scherrer研究所)
契約のポリシー、外注/内注、移動性 (リエゾン:A.
Naudi)
タスクフォース 5 - 加速器部門
委員:S. Myers, J.P.
Delahaye, P. Lebrun, 外部委員 D. Lewis (Amersham International UK)
LHC時代に焦点を合わせ、部門の効率を最大にするように、加速器部門の構成の変更を提案することに専念する。
将来
所長は完成までのLHCの財源の最終プランへの道のりを説明した。
2001年11月6日 |
財政委員会会合で前進するための事実とシナリオの発表 |
2001年11月21日 |
理事会委員会で外部レビュー評議会の議論 |
2001年12月13,14日 |
理事会委員会と理事会:プランの最初の提案 |
2002年3月 |
理事会委員会:長期にわたる計画の最初の案 |