件名 : part of the ATLAS RRB report (Jenni, Nessi)
送信日時 : 2004年 5月 11日 火曜日 10:19 PM
差出人 : IWASAKI, Hiroyuki

近藤様

ATLAS RRB の 報告です。
  1. ATLAS Progress Report (P. Jenni)
  2. Common Projects & Installation Status (M. Nessi)
  3. Status of ATLAS Resources (M. Nordburg)
のうちの Jenni と Nessi の部分です。Nordburg は後程。

岩崎

=====[Jenni]=====

ATLAS RRB,  2004.04.27

1. ATLAS Progress Report (P. Jenni) pdf

1.1  Collaboration
 ・2004年4月現在
  - 151 Institues from 34 Countries
  - Total scientific Authors		1700
  - Authors holding a PhD		1300

1.2  測定器
[Inner Detector]
 ・ Pixel
  - センサーは60%完了
  - モジュールは 2004年5月に10%完了の予定
  - サポート・ストラクチャーが出来た
 ・Barrel SCT
  - 62%のモジュールが製作済み、2004年8月には完了の予定  
  - 最初のシリンダーにモジュールを乗せ始めようとした時点で8ブラケットがゆるんでしまった
  - 全ブラケットの補強修理方法を確立した
  - 2ヶ月の遅れ、スケジュールのフロートはなくなった
 ・End-cap SCT
  - モジュール製作がやっと始まった
  - サポート・ディスク製作は真っ盛り。5月に最初のモジュールを乗せる
  - 最初のディスクにモジュール乗せが完了した時点でスケジュール
   の見直しをする(フロートは現在既に無くなっている)
 ・Barrel TRT
  - 全モジュールが完成。75%以上がCERNに送られている。サポート
   ストラクチャーへの組込み準備ができた
  - DMILL製フロントエンドICは成功裏に完了
  - フロントエンド・ボードが目下の最重要事項
 ・End-cap TRT
  - ラミネートが剥がれるという問題が一応解決され、ウィール組立が進んでいる
  - ただしフロートは無くなってしまったので、ウィール組立ての最適化をしなければならない

[Calorimeter]
 ・LAr
  - 全モジュール(プレサンプラー、EM、HEC、FCAL)がスタックされ低温試験が終了
  - Barrel EM がクライオスタットに組込れ、ソレノイド挿入後、コールド容器が閉じられた
  - ウォーム容器も閉じられ、先週から Barrel部クライオスタットの冷却が始まった
  - Barrel EM の試験は9月まで続け10月にピットでの組込となる予定
  - LAr hadronic end-cap (HEC) ウィールは組立て完了。
  - C側はクライオスタットに挿入済み。非常良好な試験結果が得られた。
  - A側は EM 組込み後にクライオスタットに挿入の予定、2004年後半
  - LAr forward calorimeter (FCAL) はコールド試験済み。
  - C側は5月、A側は2004年末に挿入予定。
  - フロントエンド・エレキの最終プロトタイプ試験は成功、バックエンドも期待できる
  - 幾つかのDMILLチップは入手済みかつテスト済み
 ・Tile Calorimeter
  - モジュール製作は1年前に終了
  - Barrel および extended barrel (EB) の一方のモジュール組上・分解テストを行った
  - もう一方の EB も近々テストする
  - 250トン荷重試験も済んだ
  - エレキのドローワー組込も進んでいる

[Muon Instruments]
  - Bare MDT はスケジュール通りの製作スピード
  - MDT with FC (Faraday Cage) は予定より数ヶ月遅れている
  - Bare TGC はスケジュール通りの製作が進んでいる
  - Bare RPC も製作スピードが上がっている。予定に間に合いそう
  - 今の critical path は MDTエレキと RPCエレキ
  - Barrel部のサポート・ブラケットとレールは発注済みで一部納品済み
  - Small wheel と Big whell の構造体は進んでいるが、遅れが積算されている

[Level-1 Trigger]
  - カロリメターは(危機的ではないが)少し遅れている
  - ミューオンは 2003年に 25ns バンチビームで実証された
  - critical path は on-detector エレキ
  - Central trigger processor は trigger conbination に柔軟に対応できるよう改良された

1.2  HLT/DAQ/DCS
  - TDR は 2003年に LHCC が承認を推薦、2004年の Research Board で承認
  - 2003年末に Read-Out Syatem (ROS) の最終構成を決めた
  - Completion Plan (CERN-RRB-2002-114 rev.) に従い約50% が予算
   執行延期(日本は 750 kCHF が当初額、最終合計額は 1500 kCHF)
  - 2008年、2009年に延期部分の執行が予定されている
  - RRB には Addendum to the Construction MoU (CERN-RRB-2004-017)の承認をお願いしたい

1.3  Computing
 ・予定(図から読取っているので月は凡の時期)
  - DC2 Phase 2: simulation			2004.04
  - DC2 Phase 2: intensive production	2004.07
  - Computing MoU				2005.03
  - ATLAS computing TDR and LCG TDR		2005.06
  - DC3: production data for PRR & test LCG	2005.10
  - Physics Readiness Report		2006.06
  - Start commissioning run			2006.10
 ・Core computing manpower
  - 2003年9月の CERN-LHCC Computing Manpower Review (CERN-RRB-2003-130)で ATLAS の場合
   約8人(FTE)のプロが不足していると強調された(必要人数27人に対し実人数15.4人(FTE))
  - その後の努力で改善されたがまだ「サービス」・「インフラ」に約4人の不足
  - 短期的には最大限の努力をする。財源機関からの助けを求める
  - 長期的な解は Computing MoU タスクフォースで検討する。例えば M&O MoU に追加する
  - 「サービス」・「インフラ」が解決されない場合には、core taskの再配分とある程度(10%以下)
   の M&O-A 増額をしなければならないだろう

1.4  Milestones and schedule
 ・重大心配事のまとめ
  - Barrel Toroid coil integration の遅れ(熱シールド、真空容器)
  - End-cap Toroid cold mass assembly
  - Macro-assembly of the barrel SCT (ブラケット修理による遅れ)
  - End-cap SCT モジュールのディスク組込の計画
  - TRT on-detector エレキボードと end-cap 部の予定 

 ・Integration 予定
  - Barrel Toroid の組込開始は2004年2月の予定よりも6ヶ月以上遅れる
  - BT の遅れを補完するため barrel calorimetor 組込を先行させるなど組込計画の練り直しを
   しているが、完全に遅れを取り戻すのは無理
  - 一応の組込計画案はあるが、最初の TB coil 試験後組込準備完了時に基本計画を決める

1.5  Other activities
 ・2つの Letter of Intents を出した
  - Heavy Ion Physics with the ATLAS Detector
  - ATLAS Forward Detectors for Luminosity Measurement and Monitoring
  - これらを現在 LHCC が評価中
 ・CERN以外での大きな会合予定
  - ATLAS Overview Week	2004.10		Freiburg
  - ATLAS Physics Workshop	2005.06		Rome

1.6  Completion Planning
 ・Cost to Completion (CtC)
  - CtC = CC + C&I (CC=Construction Completion, C&I=Commissioning and Integration)
  - CtC = 68.2 MCHF (CC=47.3 MCHF, C&I=20.9 MCHF)
  - 新財源からの寄与(category 1)= 46.5 MCHF 
   (category 2=今はcommitしないが既に約束されている予算=13.6MCHF)
  - 不足額 21.7 MCHF はステージングと建設を遅らせることで対処
  - ただし turn-on から数年後の high luminosity 時には完全なものになっていなければならない
 
 ・Staged/deferred 部分
  - One pixel layer
  - TRT outer end-caps
  - Gap scintillator
  - EEL/EES MDT と 半分の CSC layers
  - Forward shielding の一部
  - LAr ROD の一部
  - HLT/DAQ CPUs の大部分

=====[Nessi]=====

2. Common Projects & Installation Status (M. Nessi) pdf

2.1  Phase I: Infrastructure
 ・UX15-Metallic Structures 
  - 全構造物が組み込まれた
  - 13階までのアクセス用リフトが組み込まれた
 ・天井クレーン
  - 13機全てのクレーンは組み込まれ動作している
 ・換気系
  - ホールの壁面に取り付ける換気ダクトは全て済み
  - メインシャフト壁面に取り付ける垂直のダクトはこれから
 ・クライオジェニックス
  - コンプレッサー、冷凍機、トランスファーライン、排気ダクトなど済み
 ・ガスパイピング
  - UX15 までのパイピング済み
  - USA15 にガスルーム済み
  - 5月に UX15内のパイピングをする
 ・エレクトロニクス・ラックとケーブル・トレイ
  - USA15 に 250台のラックとその下側にトレイをはわせた
  - USA15からUX15までのトレイ敷設済み
 ・まとめると Infrastructure はほぼ完了

2.2  Phase II: Barrel Toroid + Barrel Calorimeter
 ・Bed plates と Feet and rail は完了
 ・Extended rail system (Barrel Cal.などの挿入時に使用)済み
 ・Barrel Toroid
  - 各コンポーンエントは完了
  - He 冷却ライン取り付け完了
  - 溶接不良による熱シールド問題は解決した
  - 2コイルは準備完了、あと2コイルも現在作業中
  - クライオスタット容器に溶接不備があり現在修理中
  - 残る作業としてはクライオスタット容器の溶接、冷却、電流試験(約4ヶ月の作業)
  - UX15 にコイルを挿入できないので、この遅れは危機的
 ・End Cap Toroid
  - 進行状況は不満足
  - コイル含侵時に混合機の樹脂に空気が入った
  - HMA(会社)のクーリングパイプ溶接は基準を満たさない
  - この部分を ATLAS 側が CERN でやることを提案したところHMA は法外な費用を要求
 ・Barrel Calorimeter and Toroid installation
  - Barrel Toroid の遅れにより全体の組込スケジュールに影響が出ている
  - Barrel Calorimeter を先行させることにした
   * 3月1日に2時間かけて Tail Cal (下側の一部、240 トン)を下ろした
   * 今日現在下半分のモジュールが組込済み
   * 次に LAr をこの上に乗せる(LAr 試験後、4〜5ヶ月後)
  - 模擬 Toroid を使って Installation の練習をする
  - 一部のサービスとミューオンチェンバーを先行して組込む予定

2.3  In-kind まとめ
 ・RRB to approve
  - ECT cold mass & vacuum vessels の修正 (CC: 1.1 MCHF; NIKHEF)
  - LAr End-cap cryostats の修正 (CC: 200 kCHF; IN2P3, MPI)
  - TDAQ のプロセッサー (CORE: 1.5 MCHF; DOE+NSF)
  - ソレノイド電源 (CORE: 0.9 MCHF; Japan)

=====
以上