[1] LHC-RRB全体会合 (2002年4月22日) CERN所長の報告: ・主リングマグネット組立の契約相手の3社のうち1社との契約成立。 ・スイスが90MCHFを3年分無利子・前倒しで拠出する。 ・外部レビュー委員会の中間報告が提出された。CERN執行部に厳しい内容。 ・CERN全体予算から41MCHF/年をLHCに移し換えできそう。 ・さらに不足している500MCHFの補填には、2010年まで借金を延ばすか  加盟国から3.5%増の予算を受けるという2つの方法がある。 ・6月に中長期の最終プランを提出し理事会の承認を受ける。 [2] 第14回アトラスRRB会合 (2002年4月23日) ・運転維持覚書案を承認した。Annexの修正は5月10日まで。各国で署名の手  続きに入る。 ・2001年秋のRRB会合におけるアトラスから各国への追加予算要求は  (1) 補助建設コスト(建設費赤字分  52.0 MCHF  (2) 据付・試運転コスト(C&I)    21.1 MCHF  (3) 2005年までの運転・維持費コスト 24.9 MCHF 合計 98.0 MCHF であった。その後コスト重複やCERN負担部分の削除を行い10.7 MCHFの節約 がなされた。また運転維持覚書に伴う予算を別扱いとすると、アトラス建設 に伴う不足額は68.0 MCHFとなった。 ・P. Jenniはこの不足額がフルに補填されず20ないし40MCHFが本当に足りな かった場合のシナリオを示した。後者の場合は殆ど物理出すには致命的。 ・この68MCHFの各国分担案が提案された。主要国の分担は以下の通りで、 (括弧内)の数字は各国から回答のあった貢献予想額である。(単位:KCHF)   カナダ   2,072      フランスIN2P3 6,297(3,500)   フランスCEA  1,958      ドイツBMBF 4,627(4,630)   ドイツMPI 1,161(1,160) イスラエル    765( 770)   イタリア   7,065(7,070) 日本      4,240  オランダ    1,954(2,000) ノルウエー   514( 480)   ロシア     3,212( 500) スペイン   1,807(1,810)   スエーデン  1,668      スイス    2,193(2,190)   イギリス  3,964(3,520) アメリカ 12,456  CERN  8,315(13,400) その他の国   3,259( 840)      --------------------------------------     合 計 68,459 KCHF (40,750 KCHF)  ・この表を議長が示したのち各国に対して順に発言を求めた。主な意見は  フランス  あと1 MCHF追加できる。2年後にもう一度レビューせよ。   イギリス  2005年以前の支払困難。次のRRBでもっと確かなことを言う。   ロシア   アトラス予算総額は既に決まっている。マンパワーで貢献する。   カナダ   今後予算確保に努力する。   デンマーク 2003年までは予算が。2004年から貢献に向けて努力する。   アメリカ  予算枠内に予備費があるのでそれを充てる方向で検討中。   台湾    今すぐにコミットはできないが、問題ない。   スエーデン 2006年後なら少しは貢献できるが当面はゼロだ。   日本    数字は出せない。運転維持覚書案を詳細に検討している。貢献        する方向で検討。6月の外部レビューの結果に注目している。   ドイツ   積極的に貢献する。  議長はこれらの意見をまとめて、    ・多くの国が貢献額の支出に努力しており感謝している。   ・アトラスは今回の結果を踏まえて長期的な予算計画を出すこと。   ・CERNと交渉してアトラスの一時的な現金不足の問題を解決したい。   ・各国は6月末までに不足額への対応方針を連絡すること。  とまとめた。 ・2002年の補足建設とC&Iコストの実施額(CERN-RRB-2002-026)を議論した。           補足建設コスト C&Iコスト   アトラス全体  17,500 KCHF 2,850 KCHF      うち日本分    1,080 KCHF 177 KCHF  この提案はLHCビームスタートの遅れとは関係しない。議長はこの2002年の  不足額補填が認められないとアトラスの建設が非常に遅れて困難になると強  調した。強く反対する国はなくこの提案は承認された。 [3] コンピューティングRRB会合(2002年4月23日) ・日本から近藤と上田が出席。 ・LCG(LHC Computing Grid http://lhcgrid.web.cern.ch/LHCgrid/)  プロジェクト(Phase-1は2001-2005)がCERNで始まった。 ・LHC計算機環境提案はCERN理事会で承認された(CERN/2379/Rev.)。 ・プロジェクトリーダーはLes Robertson(CERN)。 ・委員会にはPOB, PEB, SC2, PIB, C-RRBがある(多過ぎるとの批判も)。 ・C-RRB(Computing RRB)はLHC実験の全ての国が参加し財政をモニターする。 ・主に英・独・伊・仏・米からCERNにプロジェクトの人が十分集まってきた。 ・物的資源が40%台を確保したが足りない。 ・4実験でデータチャレンジが始まった。アトラスが最も遅れているようだ。 ・(非公式だが)非加盟国担当のJohn Ellis氏からLCGプロジェクトへの  日本からの研究者の参加、財政的貢献、企業の参加)を強く要請された。 以上 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー