=============================================================== SCTソフトTV会議メモ 時間: 2007年2月16日(金)18:00-19:00 出席者:筑波大 丸山     KEK 海野、寺田、田中礼@遠征中     京教大 高嶋?     大阪大 花垣 InDico:http://indico.cern.ch/conferenceDisplay.py?confId=12773 =============================================================== 5つのグループのうち参加表明しているオンライン・モニタリングでの 日本グループの貢献に関して議論を行った。 1.モニタリング        花垣 CERNで関係者(Pippa, Heinz)と議論するためのトラペンを用意した。 ○ 日本グループがオペレーションとコミッショニングに長期間に渡っ て責任を持って貢献するための提案が目的。 ○ 放射線損傷に従って、すべてのモジュールで空乏化電圧を測定する ことが大事(特にpnタイプインバージョン後)。 ○ バイアス電圧変化によるノイズ測定で空乏化電圧測定が可能なはず。 ○ ノイズ測定は、誤差関数(1点でもENC決定)とガウス近似 によるスロープフィットの2通りがあるが、10%の精度で一致す る(誤差関数の方が高めに出る)。  → Thresholdスキャンをしなくても、シングルランで十分か も。 ○ ノイズ測定のメリットは、現在のモニタリング方式で簡単なマクロ を書けばNOからENCをすぐに評価できること。  → 定期的にバイアス電圧スキャンをやればよい。 ○ D0ではSergey Burdin(今ATLASのEndcap をやっている)らが、ノイズおよびCCEから空乏化電圧測定をし て、両者がよく一致することを見出している。 ○ バイアス電流は、リーク電流が放射線量に比例するので非常に重要。 ○ マンパワーについてもコメントしておいたほうがよいだろうか? ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 2.議論・コメント 温度モニター ○ -7℃であればリバース・アニーリングは凍結されているが、 温めるとリバース・アニーリングが起こって空乏化電圧に影響する。実 際にどのようなオペレーションするかによる。 ○ センサーに温度計はなく、ハイブリッドで測定している。3 ページの温度差の図は、thermal runawayを引き起こすような条 件なので極端な例だ。 空乏化電圧 ○ 80ミクロンストリップ間隔では、ineter-strip容量が 1/3で最初に表面(pn接合面)で空乏化し、次にバルク容量 1/3(300ミクロン)が空乏化する。 ○ タイプ・インバージョン後は、ストリップと反対側から空乏化する。 ○ 電圧が低いところからENCは割と一定である。Non- irradiatedでは、ノミナル150Vでの運転だが空乏化電圧は70V。 ○ モジュール製造後このような測定はしていない?近藤・池上で 2fCでの分布幅からノイズを測定したが、電圧を上げるとENCはダ ラダラと下がり続ける。バルク暗電流や検出器電気容量は空乏化後は一 定のはずなので、表面効果のせい? ○ AmpはNon-linearだし、チップ自体も放射線損傷を受 けるので、その影響を考慮しないといけない。 ○ ENCから空乏化電圧を測定するのは危険ではないか?  → ノイズは、検出器容量だけでなく検出器のショットノイズやバイ アスカレントも影響するので、少し複雑。  ← 数10%程度の精度でも測定可能なら、長期間モニターする ことは大事ではないか。 ○ 当たり前だが、オフラインでCCEを出す方が確実。  → ミニマムバイアス・イベントを用いてキャリブレーション・ラン (threshold scan, bias voltage scan)をやればよい。  ← バレルSR1宇宙線テストで提案したが、時間がなかった。 地下宇宙線テストはfluxが地上の1/10なので望み薄。秋か らの900GeVランで出来る。  ← ミニマムバイアスといっても、トラックをどう引くか(SCT 3/4)とかLayerごとにスキャンするのかとか、アラインメントが 必要などいろいろ考えないといけない。  ← 1fCでのヒット効率だけではダメ。  → いずれにせよミニマムバイアスによるCCE測定にどれくら いイベント数が必要で、どれくらい時間がかかるのかラフな評価をして おいたほうがよい。 ○ オンライン(中心人物は、Dave Robinson, Peter Phillips, Bruce Joseph Gallopら)では3ポイント・ゲインスキャンをやっ ている。ゲインとオフセットが分かる。さらにSカーブの分布幅から ENCを評価できる。  ← thresholdを変えてバイアス電圧依存性を調べれば、空乏 化電圧を測定できるはず。ノイズレートの測定よりも、こちらのほうが 測定時間は短い。 宿題 (1)限られたインプットパラメーター(バイアス電圧、閾値、温度、 放射線フラックス)    限られたアウトプット情報(リバースバイアス電流、ノイズ、3 ポイントゲインスキャン等)    から空乏化電圧のモニタリングがオンラインで可能か考える。 (2)ミニマムバイアスイベントを用いた電荷収集効率(CCE) による空乏化電圧測定の具体的なシナリオを考える。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 3.ID Week予定、次回会合 ○ 来週(Overview Week)CERNで、花垣+海野・近藤で Pippa、Heinz(+Maria)と準備したトラペンを見せながら 話す。ID Weekでトークするかは、関係者と相談して決める。 ○ CERN(Overview Week・ID Week)にて関係者 が、適宜議論。次回会合はその後。 ミーティング後の提案(花垣) ○ 今回は非常に有意義なミーティングだったので、ハード+ソフトグ ループ合同でコミッショニング+オペレーションに関するミーティング を、30分ー1時間定期的に開催できないか?一つの可能性は、現在の 水曜日午後のハードの会合の一部をそれに充てる。 ← ハードは筑波大の都合もあり水曜日午後にしている。ソフトは大学 が昼間忙しいので、金曜日18時からにしている。 良い提案なので実現したいと思います。皆さんのご意見・ご都合を知ら せて下さい。 ← 水曜日午後は学生実験や教授会で忙しいが、17時から1時間なら (それがどうしてもダメなら16時から)可能です。金曜日夕方17時 からでもよいですが(岡山大)。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 文責:田中礼