From: "Tanaka Reisaburo" To: ; Cc: Sent: Wednesday, October 26, 2005 9:20 AM Subject: [atlas-j-sisoft:00580] ID Performance Workshop 関係者さま、 10月24日ー25日にCERNで開催されたID Performance Workshopに参加しました。 http://agenda.cern.ch/fullAgenda.php?ida=a055395 場所はIT Auditorium(レストラン#2の前の建物)で、参加者は常時40人程度。 目立ったグループは、IDソフトコアのLBLグループ、アラインメント・キャリブレーション のOxford/RALイギリスグループとドイツグループ、TRTではNBI。どこも若手を中心に 4−5人のチームで戦略的にやっている。Daniel Froidevauxがワークショップの中心人物。 以下、日本グループが関心がある分野のまとめです。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー ワークショップの目標 (Leonardo Rossi) 検出器の建設に従事した人が、ソフトに参入できるようにする。IDは、カロリメーター などに比べてソフトをやっている物理屋が少ない。ソフトの最適化、バリデーション、戦略を立てる。 目標は、以下のとおり。  1.RTFのバリデーション        。。。非常に重要  2.アラインメント&キャリブレーション 。。。まだ弱点  3.マテリアル as built          。。。on going  4.コミッショニング          。。。CR1,磁場あり・なし、ビームでのテスト  5.CTB解析の最終結果を出す     。。。1年経ってもまだ終わらない  6.IDパフォーマンスのフォーラムを作る。。。トラッキング、バーテックス、トリガー  7.コンバインド・パフォーマンスグループにもっと寄与する(μID、e-γ) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー IDソフトの現状(Markus Elsing) CTB解析はまだたくさんやることがある。リリース11は、as built検出器の記述のため遅れ ている。近い将来には、SR1での宇宙線テスト(12月)、リリース12(来年2月)、 Physics Readinessスタディー(来春)が待っている。 GeoModel, G4, Digitizationは問題ない。コンディション・データベースはまだ最終でない。 DC3用のジオメトリーのアップデートをやっている。ミスアラインされた検出器が標準となる。 IDのG4パラメーターのコントロールが弱い(例:GrantによるCTBでの運動量シフトの原因の 追求、日本グループが貢献できる分野)。 バリデーションとMCTruthは、最近LBLグループが入って強力になった。統計やRTTのパッケ ージを入れている。トラッキングEDMオブジェクトには、MCTruthが入っている。 トラッキングは、InDetRec_jobOptions.pyで3つのオプションがある。xKalman,iPatRec (デフォールト)、New Tracking。新しいトラッキングは、他と同じくPixelとSCTのスペー スポイントからスタートしてTRTまで外挿。オフライン、CTBおよびイベントフィルターで 既に動いている。リリース11でのタイミングは、10に比べて4倍速くなった。液体アル ゴンより数倍速い。TRTでの電子のBrems.のリカバリーコード、TRTからのトラッキング コード、V0・コンバージョンコードがある。 今夏RALでIDトリガーソフトのレビューがあり、レベル2トリガーソフトで進展がある。 CTBは、データを取ってから1年経った現在でも解析中。一番の問題は、磁場中のアライン メントがまだ理解できていない。 キャリブレーション&アラインメントがクリティカル。マンパワー不足。アラインメントの コードは、グローバルχ2(モジュール数×6自由度の行列の逆行列をイベントごとに求める)、 ロバスト法(イテレーション法)、オバーラップ領域を使う方法(追補的な方法とされている)。 サーベイデータを束縛条件に使う。これらのコードによるCTBでのアラインメントのテストが まだ。DC3でブラインドテストをやる。DC3ではミスアラインした検出器がデフォールト。 次の宇宙線テストが大きなマイルストーン。準備が進んでいる。モニタリングソフトが問題。 コンバインド解析では、IDソフトチェーンの確立と新しいトラッキング(RTF)。IDグループの コンバインド・パフォーマンス・グループでの活動を強化する。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー IDマテリアルアップデート(Vadim Kostyukhin) IDマテリアルのnon-uniformityは、LArのキャリブレーションのセルサイズの大きさから、 パッシブマテリアルは、R=1mで40cmx20cmとしたが、Danielから異論が出ていた。 混合物質のマテリアルを1%精度で決めるのはチャレンジング。コメントとしては、 カーボンでは原子核反応を正しく記述出来ない、重金属をちゃんと入れ るべきだ。 中性子/γ捕獲の断面積が大きい物質はちゃんと入れるべきだ。日本グ ループのトラペンも2枚見せた。2%の違いは、重金属のせいだとコメントした。 Danielから具体的には何なのかという質問が出た。アップデートはリリース11から入れる。 As builtジオメトリーの完成は、半年以上かかる。検出器内部やIDボリュームのサービ スの物質量の多くは、質量/密度のリスケーリングで入れる。グラニュラリティーやコンポジ ションの変更はなし。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー IDシミュレーション&Digitization&G4 Optimization(Grant Gorfine) リリース11では、Rome-Destaged(フルPixel, TRT C Wheelなし)をデフォールトに提案。 シリコンのデジタイゼーションのバリデーションのためのマンパワーがない。G4のパラ メーターがATLAS用に最適化されていない。電子のエネルギーカット(δ-ray)は、CTBでは 10μm, ATLASでは1mmとなっているが、正しいクラスターサイズを得るためには、10μm 必要。Max step lengthは、50μmとなっているがδ-rayカットが小さければもっと長くてもよい。 問題は、ヒット数の増加とデジタイゼーション時間の増加だが、系統的 なスタディーはまだ。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー CTB解析 CTBから1年もたつのに、解析が終了しない。簡単なセットアップで、磁場中のアライン メントは合っていない、運動量分解能はデータとMCで2倍違う、B磁場のデータがあやしそう、 とマンパワー不足で全体がちゃんとコントロールされていない印象。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー アラインメント&キャリブレーション ディスカッション・セッション アラインメントのプラン (Adlene Hicheur) アラインメントのテストは、SR1宇宙線テスト(磁場なし)、DC3(multi-muon、地下宇宙線)。 DC3でのミスアラインメントのスタディーをやる。SCTバレルは、ランダムにrφ=100μm, z=100μm,r=500μm振る。500μmは大きすぎるのではないかと質問が出た。またシリンダーの ディストーションが問題なのではとの意見も出たが、まずはsagittaでやる。アラインメント コードの優劣をそのうちつけないといけない。グローバルχ2はエレガントだが、巨大なDoF による計算能力の要求など問題が多い。ロバストアプローチが復活しているが、収束条件など 調べないといけない。オーバーラップ法は、他のバックアップ・追補的な方法。バリデーション のツールが必要。マンパワー、特に物理グループからの助けが必要。 Q) Quality assuranceはどうするのか? A)ツールで様々なプロットでチェックするしかない。 C) アラインメントの統計誤差はよいが、系統誤差が全く考慮されていない。 Q) 各検出器のグローバル座標、バレル/エンドキャップの相対的な座標はどう定義するのか? Q) DC3でブラインド・エクササイズを本当にするのか?    Detector Description (Daniel Froidevaux) 初期のオペレーションの条件(L=10^30)での検出器のキャリブレーションとアラインメント に集中すべき。CTBでは数%の理解でさえ容易ではなかった。アトラス検出器のソレノイド 磁場軸をノミナルなビーム軸に近づけるのがアトラスの方針。2006年春にソレノイド磁場の マッピングをする。これがクリティカル。トロイド磁場の影響は、10ガウス以下。ジオメトリ ーは、エンジニアリングのクリアランスを確保する。IDエンドプレート、ピクセルサービス、 バレルクライオスタット部分のサービス物質を早急に入れる。9月のSoftware Weekで Workshop on as installed detectorをやったが、2回目を11月中旬にやる。 ドキュメントhttp://agenda.cern.ch/askArchive.php? base=agenda&categ=a055386&id=a055386s0t2/document ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー まとめると、日本が参加できそうなところ、マンパワーが不足しているところは、 1)G4バリデーション&パラメーターの最適化(ステップサイズ、ローレンツ角など) 2)アラインメント(ただし組織的にやる必要がある) だと思います。 ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 文責:田中(礼) >