件名 : [atlas-japan:00614] Higgs WG Meeting (Dec.1) 送信日時 : 2003年 12月 3日 水曜日 1:53 AM 差出人 : Junichi Kanzaki 宛先 : 皆様 12月1日(月)にCERNにて行われたHiggs Working Group Meetingの様子について 報告させて頂きます。前回(9月)のミーティングと同様に一日で全ての発表が 行われるスタイルでしたが、今回は前回にも増して発表の数が多く(29)、朝9 時から夕方の7時までほとんどフルに発表が続きました。個々の発表について こちらで紹介する事もとてもできませんので(なによりも聞く方の集中力がも ちませんでした)詳細についてはいつものようにofficial agendaのページ http://agenda.cern.ch/fullAgenda.php?ida=a036321 を参照してください。ここでは全体の発表の流れと私の受けた印象に付いて簡 単に書かせて頂く事にします。 まず今回の発表をおおまかに分類すると以下のようになると思います。なお() 内は発表の数です。 ・H→γγの解析(3) 主にfull simulation dataの解析(2)、そのうち一つはfull simulation data を用いてfake γのstudyを行っていた。 他に H(→γγ)+jetについて(1) ・H→4leptons(8) ほとんどがfull simulation dataの解析 内訳は 4e(2)、2e2mu(1)、4mu(5) ・ttHの解析(4) そのうち(3)がBonnからの発表。これまでの解析のまとめの他にCPに関する もの、tt→WW→lvlvのモードについてのもの、他にinvisible Higgs の解析 についての発表がFreiburgから有り。 ・MSSM Higgs 関連(7) そのうちCharged Higgsについて(5)、さらにそのうち(2)はCharged Higgs expertのAssamagan氏が今年のLes Houchesの報告として出すものの紹介 Charged Higgs -> chargino + neutralino のモードの解析有り (ttH->invisible をここに含めれば7+1=8) ・VBF 関連(3) H→bb (筑波大の新間君が解析していたモード、、、現在、中断中)、ττ (東大の竹本君が解析したモード)、WW→lvjj(筑波大・千石君が解析中) このうちττについてはfull simulation data を用いた解析をWisconsinが 発表していた。 ・τIDについてのstudy(2) Full simulation data を用いたもの ・その他(2) Wisconsin の Full Simulation Data の generation の様子についての紹介 がひとつ 最後にこれだけ多くなってしまった発表をふまえて来年度の進め方について の議論(ConvenorのCerutti氏による) → ・ミーティングの数を増やす(現在、2ヵ月に一回から1.5ヵ月に一回にす る)。次回は早速一月に、、、 ・何らかの制限を設けるという提案もあったが、反対がいくつか有り ・Video meeting、あるいはphone meetingの利用などの案有り <<感想>> ・何よりも全体で29の発表の内、Wisconsinから6の発表があった事が印象的で した。しかも特定の分野に偏るのではなく、幅広い発表が行われていた。さ らに(おそらく)発表者はポスドク以上と思われる。戦力の差が大きすぎる。 ・やはりfull simulation dataを用いた解析が多い。もちろん現段階では初歩 的なレベルではあるが、我々の環境を振り返ってみるとその初歩的な段階に も追い付いていない。より高いレベルの発表を行うためにも(今回、すでに いくつかは内容的に良い物も含まれていた)まず環境を整え、さらに道具に 習熟する事が我々にとって急務であると考えられる。 ・今回、日本グループからの発表はゼロでした。なんとかfull simulation data の解析でも追い付かなければと、皆さん努力されていますが、他のグ ループと比べると、その戦力の差が大きい事を痛感します。 KEK 神前