CERN長期計画を準備 昨年9月に、CERNの理事会は研究所執行部に向けて要求を出した。それはCERNの20 のメンバー国からの資金増加無しで大ハドロンコライダー計画(LHC)を完成させるた めの予算と実行計画を案出せよというものであった。 研究所執行部が昨日理事会に提案した第1案は、LHC以外の研究計画ではバランスを とるための縮小をする一方で、LHCに関わる研究所の資産に注目したものであった。 これによってLHCに廻すことのできる資金総額は5億スイスフランとなることが期待 される。この新しい計画ではLHCの開始時期が2007年になると想定し、2010年までの この新施設のための総支出は予算の増加を伴わないとされた。 研究所長であるルチアーノ・マイアニ氏は、それにもかかわらず中間期での研究所予 算増額を考慮するように理事会に要請した。それでいけばLHCは2009年で支払い終了 出来、ある程度の研究と開発も継続されることから、研究所の長期展望で良い状 況を もたらすことであろう。スイスの代表が9000万スイスフランを3年間の間前渡しし、 あとでこの額をスイ スからの寄与分から差し引くという提案は研究所執行部から 歓迎された。 研究所執行部が運営の効率化について理解を深めるための2001年10月に開催された 外部評価委員会の報告書を考慮に入れ、これらに関して、6月にある次の理事総会で 決定される。その時までの間の研究所の通常業務の執行を可能にするために、LHCの 資金に関する解決手段を未決定のまま、凍結されていた研究所の2002年の予算の5% から2000万スイスフランを拠出することを理事会は合意した。 執行部案にコメントしてマイアニ教授が言ったことは、「科学の為の資金供与の環境 はますます厳しくなっている。研究所の活動のために大本で資金提供しているメンバ ー国に満足して頂くことが目標であり、我々はもっとも効率良い資金運用をし、かつ 我々の基本コストが他の同等な機構や産業と同列に並ぶものであることをめざす。こ れに向けて我々は良く推進できており、6月には結論が成功裏に出されると期待して いる。」 「研究所執行部も理事会もLHC計画実行の決意を継続している。それは単に我々が関 わった内で最も重要な計画であるのみならず、次の5年間に渡って何百という数の会 社が基幹構造の建設をするための寄与をしていくことを考えれば、施行すること自体 も最も複雑なものである。我々は明解な進路を確保せねばならない。」 (大須賀訳)