LHC RRB  2006年4月
                                      Plenary       4月24日 13:30

           http://indico.cern.ch/conferenceDisplay.py?confId=1322

Rober Aymar (CERN所長)

-2007年夏のビーム衝突にむけて、加速器、実験、コンピューティングの3つの分野で、
全ての努力がおこなわれている。これは大変難しいことであることはわかっているが、
この予定を守るように努力を続ける事が重要である。とはいえ、現実も見なければならない。
6月の評議会までに、加速器、実験、計算資源が揃って、最初のビーム衝突ができるのは
いつになりそうかについて新しい見通しを発表する予定である。

-CERNでは、評議会の下に(ヨーロッパの)素粒子物理の将来計画戦略を検討する
グループを発足して作業をおこなってきた。その結果は、今年7月にLisbonで行われる
評議会で議論される。

Lyn Evans  (LHC project leader)    LHCのstatus
-いろいろな困難があったが、多くのものは解決してLHC建設は進んでいる。
-超伝導Dipoleのcold massは、3つの会社のうち1つは納入を完了した。現在までに、
全部で約1200個のDipoleのうち、1/3がトンネルに設置された。
-Q magnetのcold massは夏までに納入が完成するだろう。
-加速器トンネルの2つのoctant(1/8周)では加速器要素の設置が終わり、搬入作業
に煩わされることのない状態に入っており、冷却系の接続などの作業がおこなわれている。
-電磁石の電源の24時間耐久テストをおこない、成功した。
-典型的な運転モードについて(何日走るか、陽子と重イオンの分配など)についての
議論を始めた。 (2007年は重イオンはないらしい)。

川本


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ATLAS RRB      4月25日 14:00

http://indico.cern.ch/conferenceDisplay.py?confId=1322


1.Status of experiment (P. Jenni)

 Pixel
  - 冷却パイプの腐食問題はパイプを新しく入れ替えするなどの対応をする
  - 2007年2月もでに組み込み準備完了のスケジュールに間に合わせる
  Calorimeter
    - Barrel cal. は最終位置に移動済み
    - Liq Ar は Easter 前から冷却開始した
  - Liq Ar 用 HV 電源はまだ信頼性に問題あり
 Muon
    - 2006年2月に全てのチェンバー製作が完了した
  - TGCセクター12台が完成、MDTセクターも12台完成
  - Big wheel 組込みは C-side が 2006年末、A-side が 2007年6月に完了の計画

  Cost to compleion (CtC)
    - 2002年10月の RRBでの承認事項
   CtC として 68.2 MCHF が必要、内FAからは当面 46.5 MCHF しか供給さ
   れない。不足分の 21.7 MCHF は一部検出器の staging と遅延でしのぐ。
    - ATLAS はこの枠組みに従って建設を進めてきたが、完成に近づき2007年夏
   の turn-on に必要な資源の再評価を始めた。
  - Magnet system, Liq Ar cryogenics, インフラ, 組込で修正が必要になるかも
   しれない
  - 今の時点では 2002 CtC の枠内に収まるのかさらに追加予算
   が必要になるかは分からない。          
  - 10月の RRB で報告することになる予定

2.Status of Common projects (M. Nessi)

  Barrel Toroid
    - 2006年5月に 4.8K まで冷却、cavern 内の磁化金属の掃除
  - 6-8月に磁場試験
  - 夏に加温、ETC2台を入れ 2007年春に全 magnet 試験
  Endcap Toroid
    - 1台目は容器に挿入の段階
  - 5月から Bldg180外で80K試験
  - 8月末に cavern に移動、秋に4K試験
  - 2台目は Bldg180 で pre-assembly 中

 Forward muon spectrometer 
    - 最初のTGC1セクター5月中に地下へ下される

 Inner detector services 
  - 7月に予定されている Barrel ID 組み込み前に検出器側の
   サービスを終了しなければならい、ここが今の critical path 

  Overall ATLAS schedule
  - 最新版は version 7.11 (4月のEB に提出)
  - 2007年6月に beam pipe closing
    - 2007年8月に準備完了が目標


3.Status of ATLAS Resources (M. Nordberg)

 Construction Budgets
    - deferral contributions が遅れており、2006年も cash-flow 問題がある
  - defarral も含めた建設費と CtC 全額を至急用意して欲しい

 M&O Budgets
    - 2007年の見積り額は、Category A が 11.6 MCHF、Category B が 7.5 MCHF
  - Category A で Technical services (3.2 MCHF)、Magnet operation (2.1 MCHF)
   Core computing I&S (1.3 MCHF)、Energy (1.0 MCHF)、On-line comp. (0.8 MCHF)など
  - Category B では Technical services, manpower(1.6 MCHF), 
   Operation of SR1 (1.1 MCHF), Electronics pool electronics (0.9 MCHF)など

岩崎


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                           LHC RRB  2006年4月
                      Computing      4月25日 09:00

         http://indico.cern.ch/conferenceDisplay.py?confId=1322

Les Robertson (LCG project leader)    Status
-2006年からPhase 2 (deployment)がスタート。 WLCG。
Collaboration board が組織され、2月に最初のミーティング。chair は N.Geddes。他の
組織構造も活発に活動している。組織、活動状況、資料はWLCGのWeb page ( http://lcg.web.cern.ch/LCG/ )
−2005年9−12月にService Challenge 3 (SC3)を行った。実証試験。30以上の
センターが参加。LCGのT1は全て参加。
-センター運用の改善、Gridソフトウエアの安定性など成果が得られた。
-SC3で設定したゴールは達成したが、これはLHCが動き出した時に要求されるもの
より遥かに低いものではある。ー> SC4
-データ転送 (T0−>T1): 1GB/sec を達成  (LHC運転時には1.6GB/secが目標)
-20000 LCG jobs/dayを維持

-2006年6月からSC4。パイロットLHCサービスT0、T1、T2が参加。最終テスト/開発フェーズ
-DAQ->T0->T1
-オフライン解析:データ記録、キャリブレーション、再構成、シミュレーション、解析
目標:MoUのサービスレベルの90%.
           LHC稼働時のスピードでT0からT1への転送、記録。
現在準備中。
   1.6GB/secの転送スピードを短時間だが実現。
                      
Chris Eck (LCG resource coordinator)  Resources status, Financial plan

-LCG phase 1は2005年に完了。Voluntary baseで資源を供給。
 Phase 1 収支: +0.5MCHF繰り越し(最終的には+0.8M)。とはいえ、約1.8MCHFの
支払いが2006年度にシフトしたせいでもある(ネットワーク、空調)。
-MoUサインの状況。 全部で約30、これまでに18のFAがサイン(含、東大)。約束
された資源のうち約80%はサインされた。
-地域センターの資源。T1/T2 summary table.
-実験の要求に比べて20−30%不足。
  コメント: 
実験
    -ALICE, ATLAS : 実験の要求は調整の余地ない。
    -LHCb:提供される資源に会わせていろいろ調整した(している)。
    -限られた資源をどのようにshareするかを考えるべきだ。
    -現在のモンテカルロのイベントは控えめだ。もっと増やさねばならなくなったら破綻だよ。 
FA
  -現在の約束した資源は、確実に提供できるものである。今後の増強についての
議論は時期が早すぎる。
-もっと増やすつもりでいるFAもある。
    なにしろ、今後の重要課題のひとつ。 LHCCからは、まだコメントなし。
-CERNの資源、予算
  CERN LCG予算の表。
-年次プロファイルを調整した。少々の予算増加もあり(0.78MCHF)。
-人件費はOK。ただし、これは機器の費用にしわよせ。
-LCG運用のためのインフラストラクチャーや人件費は切り詰められないので、不足は
CAF(CERN Analysis Facility)に行く。
-CAFは、計画では要求量の80%。しかし、予算はさらにその83%になる。
コメント:
-CERNに予算の余裕はない(Naudi)。更に赤字を増やさないかぎり。
-CAFはCERNの責任であり、むやみに外部に要求すべきでない。これも、今後の
重要課題。RRBだけの議題でなく、広く議論すべき。

川本